5 やさしき御かたち形 たとへ例へをとるにためし なし かつらのまゆ眉は あを青うして遠山に匂ふ かすみ霞にに似 もゝ百の こひ媚びあるまなさきは せ きやう夕 陽の きり霧のまに ゆみはり弓 張月の ふせい風 情 ひすい翡 翠の かんさしい簪は くろ黒うしてなかけれは 柳のいとの春風のけつるふせいにこと異な らす すかた姿は 三十二さう相にして なさけは 天下にならひ並びもなし